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おしえて!キャメロット
-獅子王役 川澄綾子さん-

  • Q.1アルトリアと獅子王を演じ分ける際に、気持ちやお芝居でここは違いを付けたという点があれば教えてください。

    「Fate/stay night」シリーズから「FGO」にいたるまで、いろいろなアルトリアを沢山演じさせていただいたのですが、
    振り返ってみると、獅子王は一番アルトリアとは異なるキャラクターだなと思います。
    アルトリアが持っている人間への愛や民を想う気持ちは獅子王にもあるんですけど、
    同じ目的を持っているのに、取る手段が全然違っていて、
    「そこまで冷酷になれるのか、アルトリアの別側面を持つ獅子王という人物は……」と思いました。
    アルトリアも王なので、ときには冷酷な決断も下せると思うのですが、人間をサンプルとして保管したら、というような極端な考えを持つことは、これまで演じてきたアルトリアはなかったと思うので…。
    一言で獅子王を表すと「絶対的存在」ですかね。後編の終盤は王というより、神を演じる心持ちでした。
  • Q.2stay nightチーム(HFや衛宮ごはん等)とFGOチームで収録時の雰囲気の違いはありますが?

    「Fate/stay night」の出演キャストの皆さんとは、当たり前ですがFate歴が一緒です。
    でも「FGO」でご一緒しているキャストさんは、『原作ゲームの「stay night」から知っています』という方もいれば、
    『学生の頃アニメの「Fate/stay night」を見ていました』という方、
    『「FGO」にキャスティングされてから作品を知りました』というように、
    キャストさんによって作品を知って下さるきっかけが違うというところが、「stay night」チームと大きく違うところです。
    「FGO」でご一緒させていただくキャストさんの中で、アニメの「Fate/Zero」見てましたと声をかけていただいた時、私の中では最近演じた作品という印象だったので、改めて長く作品に携わらせていただいているんだな……と感慨深かったです。
  • Q.3川澄さんは獅子王がどのような思いを持ってアグラヴェインと接していたと考えて表現されたのか気になります。また、騎士王であるアルトリアの時と獅子王の時、アグラヴェインに対する感情で違いがあれば、どのように異なるのかも教えていただきたいです。

    原作ゲームの「FGO」ではどこか暗躍しているようにも見えるアグラヴェインでしたが、
    劇場版では、獅子王とアグラヴェインが多くを語らずともわかりあっているように感じられましたね。獅子王はアグラヴェインに対して一番自然に接しているように見えました。
    他の円卓の騎士たちがこの状況に対して思うところがある、ということには2人とも気づいていたと思うんです。
    獅子王が円卓の騎士を特異点に召喚した際に、命に従うか去るかを選択させるシーンがありますよね。
    そこで命に従わず去る騎士もいる。そして従ったとしてもそれぞれ思うことはバラバラで、今までとは違った忠誠だということも獅子王は理解していたと思います。その中で獅子王とアグラヴェインの2人だけは、例えその選択が間違っていたとしても同じ方向を向いていたのかな、と思います。
  • Q.4「Fate/stay night」からおよそ15年、アルトリア役としてシリーズに関わってきた川澄さんにとってもキャメロットの結末を迎えられることに感慨深いものがあるかと思いますが、円卓の騎士たちと共に特異点での戦いを最後まで駆け抜けた今のお気持ちをお話しいただければと思います。

    「Fate/stay night」から今まで、カムランの丘のシーンや、ベディヴィエールに看取られたシーンが出てきたり、「Fate/hollow ataraxia」ではマーリンの話をしていたりと、円卓の騎士の存在は随所で触れられてきましたが、
    これまで断片的だった円卓の騎士の物語が、一つの劇場作品として観られることがとても嬉しく思います。
    奈須さんの「Garden of Avalon」(※「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」Blu-ray BOX上巻特典小説)ではじめて円卓の騎士たちのことがしっかりと語られたと思うのですが、
    本当に、アーサー王と円卓の騎士たちっていくらでも物語ができるのでは? と思うくらい深いのだなと改めて思いました。
    私は「stay night」のラストシーンで、最期にべディヴィエールに言葉をかけるところがとても好きなのですが、同じシーンをまた違った結末で、しかも劇場版で迎えられることが嬉しいです。
    第六章はIFのお話なのですが、べディヴィエールがベディヴィエールという人物だからこそ、そのIFの世界で彼がとった行動も納得できてしまうんですよね……。もう一つの素晴らしい物語を描いていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
  • Q.5前編や、後編の予告映像の獅子王のシーンで印象に残った点はありますか。

    前編で印象に残っているのはガウェインに対する仕打ちですね。
    「もう立ち上がる必要はないのだからな」という冷酷さが、アルトリアとの決定的な違いを周知させるシーンになっていたと思います。
    後編の予告だと、ベディヴィエールとの過去の回想シーンもありながら、「べディヴィエールとは誰のことだ」というセリフが一緒に入っている……なんて辛い予告なんだ! と思いました(笑)
    後編は、台本をいただいて読んだ際、思わず泣いてしまったので、
    ぜひ彼らがどのような結末を迎えるのか見届けていただけたら嬉しいです。

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