『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』先行上映イベントレポート

2019年9月24日、TVアニメ『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』の先行上映イベントが新宿バルト9にて開催されました。
Episode 0~2の上映後、初公開となるノンクレジットオープニング映像も上映され、大きな拍手に包まれた会場。その後行われたトークイベントには、島﨑信長さん(藤丸立香役)、高橋李依さん(マシュ・キリエライト役)、川澄綾子さん(フォウ役)、鈴村健一さん(ロマニ・アーキマン役)、坂本真綾さん(レオナルド・ダ・ヴィンチ役)、関智一さん(ギルガメッシュ役)、小林ゆうさん(エルキドゥ役)、櫻井孝宏さん(マーリン役)、浅川悠さん(アナ役)、植田佳奈さん(イシュタル役)、内山夕実さん(シドゥリ役)の総勢11名が登壇しました。
冒頭の挨拶では関さんが「ウルクの民よ、今日は存分に楽しんで帰るがよい!」とキャラクターボイスを披露し歓声が上がるなか、早速各話を振り返ってのトークパートに移ります。
Episode 0について高橋さんは、8月に行われた「Fate/Grand Order Fes. 2019 ~カルデアパーク~」で初めて完成した本編を観たと話し、「最初に見た時、泣くしかできなくて……全部が涙となって溢れてしまいました。あの時は川澄さんがハンカチを貸してくださって、ありがとうございました」と頭を下げると、川澄さんも「私ももらい泣きしてしまって。会場からもすすり泣く声が聞こえてきました」とEpisode 0初披露時を振り返ります。それを受けロマニ役の鈴村さんは「泣くでしょ、泣かないわけないでしょ。泣かせにいきましたし!」と力強く言い、「特にFGOをプレイしている方にとってはあのエピソードはすごく大きなエピソードだと思います」と語りました。
アフレコを振り返って島﨑さんが「僕はセリフは少しだったので、収録の時も半分お客さんのような目線でお二人の芝居を観させていただいていたんですが、ダメでしたね。ロマニとダ・ヴィンチちゃんが話していたり……」と語ると、鈴村さんからは「そこまでだ!」とストップが入る場面も。「ゲーム『FGO』をまだやっていない方もいるでしょうから。ただ逆に、そういう方にはEpisode 0はよく覚えていていただきたいです。今後に繋がるエピソードなので」と続けました。
若い頃のロマニを演じたことについて鈴村さんは「若さももちろん意識しましたが、それ以上に彼が抱えている大きなものが垣間見える瞬間があって、そこがすごく大事だと思いながらお芝居しました。その大きなものが彼の力に変わっていく、前を向いていく力になる瞬間というのが一番大事なことだと意識しました」と語り、鈴村さんとの共演シーンが多かった高橋さんは「ロマニが丁寧に過ごしてきたあの時間を、私も丁寧に演じていきたいなと思って、時間経過を特に意識して演じたのが印象深かったです」と振り返りました。

そこで鈴村さんからこの場で一つだけ言いたいことがあるという発言が。「マシュは藤丸のことを慕っているじゃない。あれはいわゆる、ヒヨコが初めて動く物を見た時のすり込みのようなものだと説明を受けたんです。でも、先に俺と会ってるからね!」というアピールに島﨑さんは、「マシュにとっては藤丸は先輩ですが、僕にとってはロマニが先輩なので! これからもよろしくお願いします!」と頭を下げ、会場が笑いに包まれました。
またEpisode 0のクライマックスで坂本さんの歌う『色彩』が印象的に流れることについて、感想を聞かれた坂本さん。「『FGO』というゲームが世の中に出る前に作った曲で、こんなに長く作品とともに皆さんに愛される曲になって、よかったなあと。この歌詞はストーリーの全容がまだ書き上がる前に書いたのですが、それがどんどん物語とリンクして進んでいき、より一層曲が深まって聞こえるように奈須きのこ先生が作っていってくださったので、今回Episode 0でキャラクターたちの名言とともに曲が流れるシーンでは、本当に我ながらいい曲だなと感じました。走馬灯というか、全てがマシュの目線で自分に起きたことのように思い出せる、自分の記憶のように蘇ってくるところが感動的でした」と楽曲と作品の親和性について語りました。

続くEpisode 1について、島﨑さんは「Episode 0の収録で素晴らしいものを見せていただいたので、エンジンが暖まった状態で、すごくワクワクした気持ちで収録に臨めました」とアフレコを振り返り、「あとEpisode 1を観て最初に感じたのは、“絶対魔獣戦線”やばいなと! 実際に映像で観るとあの戦線の壮大さや、どれだけ魔獣が怖いかという……劇場版かと思うような映像で。街の描写もすごく素敵でしたね」と迫力の映像について語ります。
さらに島﨑さんから「すごく勝手な人だなって(笑)」とイシュタルについての感想が出ると、植田さんは「本当に“女神女神”しているというか、上から目線で自由気ままに生きているので、やってて楽しいですね」と笑顔を見せます。「イシュタルの登場シーンを観て、結構コミカルなシーンもあるんだなって。表情の変化もコミカルですよね」と話す高橋さんに、「台本のト書きに、表情についても“怒る・笑う・ジト目になる”など細かく書かれていて、そのコロコロ変わる表情を拾いながらリズミカルに演じています。だから意外と呼吸する暇がなくって、いつもアフレコが終わった後ハアハアしてる」と苦労を明かしました。
同じくEpisode 1で初登場となるエルキドゥについて小林さんは「FGOの一員に入れていただくのはこの第七特異点が初めてで、本当に身が引き締まる思いでいます。エルキドゥさんは本当に大切な方なので、精一杯、一生懸命演じさせていただければと思っております」と話し、関さんからは「これまでのシリーズでもよく名前が出ていて、大事に思っているというエルキドゥ。どんな人なのかなと思っていたら小林ゆうちゃんか! と、いい意味で驚きました。共演も多くさせていただいて気心も知れてる小林ゆうちゃんで良かった」と語りました。
さらに島﨑さんはEpisode 1の藤丸について「ここまでの経験値を感じさせるシーンがちょこちょこあって、凡人なりにこれまで頑張ってきたからこその経験と、自分なりの努力で学んで来たことが感じられました。マスターがどんな動きをしてサーヴァントをサポートしているのかというのが今回のアニメですごく見えて、彼の積み重ねて来たものを感じられて嬉しかったです」と熱く語り、その様子に櫻井さんからは「島崎くんは本当にFateが好きなんだね」とコメントが送られました。

続いてトークテーマはEpisode 2へ。この話数から本格的に登場するマーリンについて聞かれた櫻井さんは「アニメの収録の前にゲーム『FGO』の収録があったので、そこでキャラクターはチューニングして、固めた状態でアニメに臨めました。マーリンはそよ風に舞う花びらのような、フワフワした人なので、スタジオでもリラックスして楽しくいます」と答えました。マーリンと櫻井さんが似ているという話題になると、「でも“似てる”と言う皆さんの表情が、なんかちょっと嫌そうなんですよ」と首をかしげる櫻井さんに対して川澄さんからは「ぴったりですよ! 自信を持って!」と励ましの言葉が送られました。
またマーリンと一緒に登場するアナについて浅川さんが、「昔から一緒にお仕事させていただいている皆さんとの収録なので、すごくやりやすいし順調です。ただアナのキャラクター性が、私が普段演じているキャラクターたちの雰囲気とかなり違うので、昔から知っている皆さんの前で演じるのはちょっと恥ずかしいです」と照れ笑いし、「たくさんの方に観ていただけるこの大きな作品で今までと違った役柄ができるので、楽しんでおります。そしてこれまで群れとは違うところにいることが多かったので、こうしてチームの皆と一緒に行動できるのも嬉しいです」と語ります。櫻井さんからの「嬉しいんだね」というコメントに対して「あまり可愛がられることがないので(笑)。皆優しくしてくれるので満たされております」とFateシリーズのキャラクターを長く演じている浅川さんならではの思いを明かしました。
そして今作で重要なキャラクターである賢王ギルガメッシュについて、意識して演じている点を聞かれた関さんは「自分としてはあまりこれまでのギルガメッシュとの違いは意識してないのですが、描かれ方が違うので自然といつもと違ってきます。今までは悪逆非道だったり高飛車な印象が強かったんですが……どうですか僕の演じるギルガメッシュは?」と島﨑さんに尋ね「いつも最高です! ギルガメッシュって力が抜けてるんですよね。本当にすごい人って余裕があるので。偉そうに話すのも自然というか、その雰囲気が関さんの力の抜けた感じとぴったりで」というコメントに「まあある種、天才の為せる技というか……」と促し、「はい!」という回答をもらうと「慢心せずして何が王か!」とキャラクターボイスで返し、「これがやりたかったんです」と笑顔を見せました。
さらにアフレコ現場で話題になるというギルガメッシュの笑い声について聞かれると、「僕は台本の通りにやってるだけなんです。だって台本で、皆が喋ってる間、ずっと後ろで笑ってるんですもん」と話すと、川澄さんから「すごい誘い笑いというか、笑いが上手なんですよね。Fateシリーズでは常に笑っているんですけど」と言われ「笑いのシーンが多いから、毎回同じ笑いにならないように工夫しています。どういう感じで見下そうかなと決めて笑っているんです」と役柄ならではのこだわりを語りました。

ギルガメッシュの側に仕えるシドゥリはTVアニメで初めて声がついたキャラクター。演じる内山さんは「Fateシリーズという有名な歴史ある作品で、オーディションを受けさせていただいた時もとても緊張していました。なので決まった時はまるで夢のような感覚だったんですけど、夏にCVが発表になった時の反響の大きさにまたプレッシャーを感じながら、でも皆さまの胸を借りながら私なりのシドゥリを精一杯演じさせていただいています」と緊張の面持ちで話しました。
ここでキャスト同士で質問があれば、という話題になると坂本さんから「フォウくんの話がもっと聞きたい」という要望が。川澄さんが「えぇ、ありがとう。すごく可愛いなって映像で動く姿を見て思っていて。Fateシリーズ初のマスコットキャラでもありますし、毎回どういうふうに可愛くやろうかなって思うんですけど、フォウくんって本物の獣なんですよね。だからニャアって言いたいのを堪えてフォウって言ってます」と語ると、関さんから「なんなのあの動物は?」という質問が飛び出します。「フォウはフォウです。でも見た目が猫っぽくないですか?」と川澄さんが答えると、関さんからは「羊の子供っぽい」、櫻井さんは「犬っぽくない?」とそれぞれ異なるイメージがあることが明らかになりました。

最後はキャストを代表して島﨑さんからの挨拶が送られました。
「収録していて、登場する英霊・英雄の皆さんが本当にかっこよくて。レオニダス一世や牛若丸たちなど、一緒に収録すると実感を持って尊敬してしまうんです。藤丸立香はきっとこうやって英雄たちの背中を見てきて、憧れて、少しでも前に進もうと頑張ってきたんだろうなと実感させてもらっています。ゲーム『FGO』のシナリオを読んでわかっていたつもりだったんですけど、それをもっと実感させていただいて、新しい思いをたくさん感じさせてくれるアニメです。最後まで第一部をプレイされた方は感動が続くアニメになると思いますし、そして今回から初めて作品に触れる方は、まず映像がとにかくすごかったと思うんですけど、これからどんどんとんでもない戦闘とか、特に第七特異点はアニメ映えするシーンがたくさんあるので。最初の方は設定などでよくわからない部分もあると思うんですけど、映像や各キャラクターの個性に引っ張られていくと思うので、そこから興味を持って集中していただけると。Fateって1人のキャラクターを好きになったら、どこから入ってどこを掘っても、掘れば掘るほど金塊が出てくるシリーズだと僕は思っていますので、ここから入る方も、皆で一緒に盛り上がっていただけたらなって思います。スタッフ・キャスト一同誠心誠意作っていますし、本当に絶対に皆さんに楽しんでもらえる幸せなアニメ化になると思います。今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました!」
キャストが退場した後は、スクリーンでノンクレジットエンディング映像が初披露され、大きな拍手の中イベントは幕を閉じました。