キーワード解説

人理継続保障機関カルデア
魔術のみ科学のみでは計れない世界を観測し、人類の決定的な絶滅を防ぐという目的の下、カルデア前所長が諸各国の協力を得て設立した特務機関。魔術・科学の区別なく優秀な人材が集められている。魔術と科学技術の粋を極めたカルデアのシステムによって未来の様子を観測され、人類史はその安全を100年先まで保証されていたはずだったが……。
レイシフト(霊子転移)
人間を擬似的に霊子変換(データ化)し、異なる時空に転移させる航法。いわばタイムトラベルと平行世界移動の併せ技。転移は「クラインコフィン(霊子筐体)」と呼ばれる棺桶に似た筐体に入った状態で行われる。
カルデアは当初、48人のマスター候補生たちをレイシフトさせて人理を修復させる計画を立てていた。しかしとある陰謀の結果、47人のマスターたちは行動不能に。現在、レイシフトを行えるマスターは、藤丸のみとなっている。
特異点
平常とは異なる領域。人理修復の旅においては、正史と異なる歴史を刻まれたことで、人類史消滅の原因となってしまった(または成りかねない)ポイントを指す。特異点では人理定礎が大きく揺らぎ、あるいは破壊されており、近未来観測レンズ・シバの機能をもってしても正常に観測することができない。
人類史上、重要なターニングポイントとなった時代と場所は複数存在するが、人類史にとりわけ深刻な影響を及ぼしていると思しき特異点は7箇所。藤丸たちは「人理修復」……すなわち、再び人類史を存続させてゆくために、レイシフトによってそれらを巡っていくこととなった。
人理守護指定・グランドオーダー
人理修復のため聖杯探索の旅に挑む藤丸たちに発令された、カルデア最後にして原初の使命。もともと「グランドオーダー」という言葉は「冠位指定」と表され、複数の意味を有しているが、ここでは「なにより優先されるべき最高位の使命」というような意であると思われる。
絶対魔獣戦線バビロニア
藤丸たちが挑んだ第七特異点の名称。
ギルガメッシュがウルクの北部に建てた城砦と、そこでの戦線を指して語られている。
マスター
サーヴァントを召喚し、従える資格を有する魔術師。ただし、優秀な魔術師が必ずしも優れたマスターになるとは限らない。藤丸は魔術師としては素人だが、新米マスターとして多くのサーヴァントと絆を結んでいる。
サーヴァント(英霊)
神話・伝説上の英雄、また偉業や概念などを霊体として召喚、術式と契約によって縛り、使い魔としたもの。基本的には偉大な伝説や功績を残した「英霊」と呼ばれる存在が呼び出されるが、本来ならば召喚されるはずのないレアな存在を呼んでしまうこともある。
サーヴァントとして現実世界に現界(霊的存在がこの世に具現化すること)した英霊は魔力によって編まれた仮初めの肉体を獲得し、人知を超えた能力を有するが、その維持や力の行使には膨大な魔力を必要とする。
ウルク
第七特異点で中心となる都市。メソポタミアにあった古代都市の名前で、現在ではイラク南部のサマーワの東約40キロメートルに位置していたとされる。紀元前3500年頃から発展した街で、周囲を城壁に囲まれた円形の都市。広さは推定260ヘクタール(大阪・万博記念公園とほぼ同じ)ほどあったと推定される。そのうちの約90%にあたる230ヘクタールが居住区だったと言われており、民家が所狭しと並んでいたようだ。
「Fate/Grand Order」の世界ではギルガメッシュが統治する王国であり、藤丸たちの拠点になる場所でもある。
ジグラット
第七特異点においてギルガメッシュの拠点で、「Fate/Grand Order」の世界では王城として描かれているが、本来は古代メソポタミアにおける神殿のこと。訳すと「高いところ」という意味があり、日乾煉瓦を積み上げ作られた巨大な建造物である。ウルクでは都市の中心部に建てられており、その周りには庶民たちの住居などがひしめき合っていたようだ。
デミ・サーヴァント
生きた人間にサーヴァントが憑依融合した亜種的なサーヴァント。マシュの場合は、致命的な怪我を負った彼女の命を救うため、真名不明の英霊が自らの意思により融合したことで、デミ・サーヴァントとなった。
デミ・サーヴァントも通常のサーヴァントと同じく宝具の行使には宝具名の解放を必要とするが、マシュと融合した英霊は名乗らぬまま消滅してしまったため、彼女は真の力を発揮できない状態となり、カルデア前所長から与えられた「仮想宝具 疑似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)」という便宜上の名で、大幅にスペックダウンした状態の宝具を使用していた。しかし、第六特異点で彼女と融合した英霊が、円卓の騎士のひとりであるギャラハッドと判明。宝具の真名「いまは遙か理想の城(ロード・キャメロット)」も明らかになり、真の力を発揮できるようになった。
ちなみに人と英霊が一体化したサーヴァントはマシュ以外にも存在するのだが、経緯やそのあり方は各々でさまざまに異なっている。
人類史/人理/人理定礎
「人類史」は人類が刻んできた、そして未来において刻んでいくであろう歴史そのもの。人類史の終焉とはすなわち、人類の滅亡を指す。一方、人類をより強く永く繁栄させるための理が「人理」。「人理定礎」は人理を支える土台であり、人理定礎値によってその重要度を示す。
宝具
英霊の逸話や伝説などに由来する象徴的な武装、または能力。高い破壊力を有する大量殺戮兵器から防御・回復などのサポートスキルまで、その内容は十人十色だが、宝具の真名を解放(詠唱)することで力を行使するという点は、どのサーヴァントも共通のようだ。
魔術師
魔術を研究・実践する人間の総称。長く続く魔術師の血統ほど、力量があるというのが定説。ちなみに魔術とは別次元の大いなる神秘として厳密に区別される魔法と呼ばれる力も存在するが、それを行使できるのはごく一部の者のみ。
魔術と魔法の違い
神秘の発現において、ある「結果」を引き起こすことが科学や技術などで代替可能なものを「魔術」と呼ぶ。仮にその「過程」は奇跡のように見えても、引き起こされる「結果」が別の方法で代用可能ならば、それは「魔術」である。
一方、その時代におけるいかなる技術や知識を駆使しようとも、絶対に実現不可能な「結果」をもたらすものが「魔法」。太古の昔は数多くの「魔法」が存在していたが、文明の発達に伴ってそれらの多くが「魔術」に格下げされた。「魔法級」と呼ばれる神秘は現在でもいくつも存在するが、魔術協会が正式に認可している「魔法」は5種類のみとなっている。
聖杯
手にする者の望みを実現させる力をもった存在。「万能の釜」や「願望機」とも。各時代の特異点は聖杯の力によって発生・固定されていることが多いため、特異点のどこかにある聖杯の探索と回収が、ほぼ任務の達成条件とイコールで考えてよい。
ちなみに魔術師たちがサーヴァントを使役して聖杯を奪い合う「聖杯戦争」と呼ばれる戦いが時折勃発することがあるが、目下のところ藤丸たちの旅にはあまり関係のない(?)余談である。
疑似地球環境モデル・カルデアス
惑星に魂があると定義し、地球の魂を複写することによって作られた極小の擬似天体。中央管制室の正面に投影されている。藤丸たちがいる世界とは異なる位相に存在するため、人間の知覚や知識では細かな状況は読み取れないが、近未来観測レンズ・シバによって大陸部に点在する都市の光を観測することが可能。
冥界
古代メソポタミアにおいて、冥界は地下に存在するとされ「踏み込んだ者が出られない場所」、「光を見ることがない場所」といわれ、人は死後、冥界に赴いて死霊として暮らし続けると信じられていた。冥界自体は、暗く乾燥した世界で、そこに暮らす者は埃や粘土を食べていたとされる。

藤丸たちが旅した第七特異点も、神話と同様に主人であるエレシュキガルを最高権力者とした、地下王国が広がっている。この世界における冥界は、神性がマイナスに作用するようになっていて、弱い者はそのままだが、強い者も弱くなるシステムになっている。
イシュタルの冥界下り
イシュタルとエレシュキガルが登場する代表的な神話のひとつ。生を司るイシュタルと、死を司るエレシュキガルは姉妹仲が非常に悪く、イシュタルが女神らしい豪華な装いのまま冥界へ足を踏み入れた際、彼女の来訪に腹を立てたエレシュキガルによって、冥界の掟に従うように仕向けられ、身包みを剥いで裸にしたうえ、串刺しにして殺されてしまうというエピソード。
マーリンの召喚
ギルガメッシュの行った英霊召喚に応じて、第七特異点へとやってきたマーリンだが、「FGO」の世界において、彼は召喚される英霊の条件を満たしていない。これは、マーリンの伝承で「今も生き続け、幽閉された塔から世界を見ている」とされているから。そのため、まだ“生きている”はずのマーリンは本来、召喚できない。だが、彼はとある強引な解釈をもって、この時代に顕現しているようだ……。
シュメルの女神
シュメル神話で世界を創生したとされる神々。男女合わせて12名の神がおり、この第七特異点では愛・美貌・戦い・豊穣の女神“イシュタル”と、冥界の女神“エレシュキガル”という2人の女神が登場する。
魔力/魔術回路
魔力とは魔術を行使する際に消費されるエネルギー、いわばガソリンや電流に相当するもので、自然界(外界)にある「大源(マナ)」と、術者の体内(内界)に存在する「小源(オド)」に大別される。
魔術師は魔術を扱うための擬似神経「魔術回路」をもっており、これに魔力を流すことで魔術を行使する。魔術回路を持たない者は魔術師にはなれず、また、この回路の数が多いほど優秀な魔術師であるとされる。古い血筋の魔術師ほど強力な力を有するのは、一般的に歴史の長い家系ほど、魔術回路を増やす工夫をより重ねてきているからである。
魔力/魔術回路
魔力とは魔術を行使する際に消費されるエネルギー、いわばガソリンや電流に相当するもので、自然界(外界)にある「大源(マナ)」と、術者の体内(内界)に存在する「小源(オド)」に大別される。
魔術師は魔術を扱うための擬似神経「魔術回路」をもっており、これに魔力を流すことで魔術を行使する。魔術回路を持たない者は魔術師にはなれず、また、この回路の数が多いほど優秀な魔術師であるとされる。古い血筋の魔術師ほど強力な力を有するのは、一般的に歴史の長い家系ほど、魔術回路を増やす工夫をより重ねてきているからである。
ギルガメシュ叙事詩
ギルガメッシュを主人公に、エルキドゥとの出会いと別れや、不老不死を求める旅などを描いた、古代の文学作品。
ウルク第1王朝の王・ルガルバンダを父に、女神リマトを母に持つギルガメッシュは、体の3分の2が神、3分の1が人間という半神半人で、さらにシュメルの神々から知恵を授かっていたため、彼に敵う者はウルクに存在しなかった。そして、暴君となったギルガメッシュを諌めるため、シュメルの神々は粘土からギルガメッシュと同等の力を持つ者・エルキドゥを作り出し、地上へ向かわせる。神々の思惑通り、同等の力を持った2人は戦うのだが、決着は着くことなく、ギルガメッシュとエルキドゥはお互いを称え、以後、無二の親友となる。
エルキドゥの死には、イシュタルが関連しており、ギルガメッシュに求婚するも振られた彼女が、仕返しとしてウルク市に天の牡牛(グガランナ)を送った際、ギルガメッシュとエルキドゥの2人がこれを倒している。そのことに激怒した神々は、エルキドゥに呪いをかけ、彼は死んでしまう。そして、無二の親友との別れを経験したギルガメッシュは死を恐れるようになり、不老不死を求めて旅に出ることとなる。
ウルクの大杯
“聖杯”と同様に膨大な魔力を有する「手にする者の望みを実現させる力をもつ杯」。だが、元々ギルガメッシュ王が持っていたもので、特異点を生み出している聖杯とは全く別物である。
ティアマト
メソポタミア神話に登場する海の女神。淡水の神・アプスーと交わり、たくさんの神々を産み落としたが、成長した彼らにアプスーを殺され、その怒りと悲しみで子どもたちとの戦闘を決意。彼らと戦うために十一体の怪物を産み出した。しかし、ティアマトと神々の戦いはティアマト軍が敗北……。その後、神々はティアマトの亡骸を引き裂き海に浮かべ、それがメソポタミアの大地となったとされている。